2025.12.01
中期経営計画~NEXT300のキックオフ
経営計画策定のキックオフが先日行なわれました。始めるにあたり、チームメンバーに背景や意義や目的などをお話させていただきました。ここに改めて記載します。
入社間もない若い人には、今は時流に乗って弊社の光の部分が見えていると思いますが、70年弱に渡る弊社グループの歴史には、多くの影の部分が存在していたことを是非知ってほしいと思います。27年前イシカワアイリスという会社を購入したものの、中国からのニセ販促商品を大量に買わされ、在庫の山となった。在庫費用だけで、月2,000万円になり経営を断念。ニセ商品は廃棄し、多大な負債を背負わされた。15年前は東北大震災の濡れたフイルムをめぐる大量の融通手形詐欺に巻き込まれ、多くの負債を負うことになった。その後もリーマンショック、トヨタショック、タイ洪水などで、更に弊社の決算書は疲弊し、借金も大きく膨らんだ際に、11年前に大手都銀から貸しはがし宣告を受けた。プラスチックリサイクルの将来性を語るもまったく受け入れて貰えず、実行された。その後は、メインバンクの信金に貸しはがし分を充填していただくとともに、数人の出向を受入れ弊社の再建が始まった。これらがグループの影の部分です。
そのころには自分は完全に「鬱状態」になり、失語症となり、朝礼で話すことも困難でした。そんな時に生涯の師となるタニサケの松岡会長に出会いました。1泊2日の塾に行き、いろいろな気づきがありましたが、自分の心が「自己中心」から「他人中心」になったことが一番でした。教わったトイレ掃除やゴミ拾いや社内報の発刊を続ける内に鬱状態から解放されたようです。信金の担当者のアドバイスをよく聞き、会長の教えを11年間継続した結果で、V字回復と言われ、今があります。今振り返ると一番苦しい時に一番学びが多く、成長できたと思います。
これからグローバルにサーキュラーエコノミーの時代です。15年前からコツコツとやっている、解体自動車からの回収プラに注目が集まっています。NEXT300のみなさんは幅広く、策定のための要諦を学ぶ中で、かなり実践的に動くことも必要になってくることと思います。高い山に登ろうとするために、しっかりとした備品を身に着け体力を養ってほしいです。
そのために
①勉強する(経営学、人間学、雑学など)
②全てのことに全力でぶつかる(実体験で学んだものこそ本物)
③感謝の気持ち(今こそ地球に恩返し)
④良き人と出会う(求めれば必ず良き師に巡りあえる)
⑤人生二度なし(人生の要諦)
以上を是非お願いしたいです。
NEXT300は我々の手で必ず成し遂げるし、その後にも繋げていきたいです。会社は社員のためにあります。一人ひとりの喜びの顔を見ることが自分の一番の幸せです。プロジェクトのみなさんを中心に、社員全員で成功に導いていただきますよう、よろしくお願い申し上げます。
合掌
2025.11.03
高い山に登ろう~アイデアを出すヒント~
弊社をウエルビーイングな会社にするために取り組んできた未来会議のメンバーが現在、地域NO.1の福利厚生を目指して新しいサービスが社員に浸透するように知恵を絞ったり、久しぶりに全体で行う親睦会を盛り上げるべくアイデアを出しています。今期59期から始める中期経営計画策定グループは、若手と中堅社員の10名を集めて、来期60期からスタートが切れるように、1年かけて財務の初歩や数値計画や行動計画を学び、将来の弊社の夢実現のためにいろいろなアイデアを思いついてくれることと期待しています。
そこで、必要なときにアイデアや知恵を生み出すためにどうするかのヒントが、中野信子さんの「あなたの脳のしつけ方」という著書にありました。要旨を記します。
『人が頭をひねって思いついたことのほとんどは、過去に誰かが思いついている。人が生きる上で必要なものは、時代が経てもそれほど大きくは変わっていない。だから今必要なアイデアは過去に誰かが思いついているはず。今起こっている問題の数々も誰かが過去に同じ問題を解決したことがあるはず。そこで何をやらなければならないか。非常に重要になるのは、歴史を学ぶこと。月並みですが本を読んだり、ドキュメンタリー番組を見たり、自分がいる会社や業界の歴史を振り返ること。よく考えるとたとえばある人が3カ月かけて頭をひねった結果、1つの良いアイデアが生まれてきた。でも3カ月も本を読めば、いったい何冊の本が読め、数十個は良きアイデアが生まれるはずではないか。そう考えるとウンウン唸って自力で斬新なアイデアを生み出すより、過去のデータからアイデアを拾ってきた方が、遥かに効率的ではないか。肝心なのは、そういった過去のアイデアなり解決法を目の前の問題と結びつけてアレンジすること。そういった柔軟性こそが、アイデア力がある人、ない人の大きな別れ道だということ。実際のところ、世の中でクリエイティブといわれる人のほとんどは、意識的、無意識的にかかわらず、こうして過去のアイデアを蓄積し、それを目の前の事象にうまく当てはめることで、クリエイティブな発想を生み出す。』
未来会議や策定グループの方々は、経営計画やウエルビーイングにまつわる本を読んだり、プラリサイクル業界の歴史や弊社の歴史を先輩諸氏から教えてもらってください。失敗した歴史(特に弊社は多いです)を学び、そうならないための方策を織り込んでも良いですね。いうなればアイデアは“思いつくもの”ではなく、「過去から拾ってきて応用するもの」が結論です。
未来会議や中期経営計画策定を通して、新しい「いその」を担う人財が輩出されますことを祈っております。
合掌
2025.10.01
いのちの森「水輪」で体験したこと
友人たちと共に、1泊で長野県飯綱高原にあるいのちの森「水輪」という気付きと学びのコミュニティーを訪れました。自分の過去を振り返って共感できたこと、まだまだ学ばなくてはいけないことに気付かされ、自分の成長に欠かせない場所であり、将来的に深い関わりが生まれてくる予感がしています。
「水輪」は4万3千坪の緑豊かな敷地に宿泊、研修棟など16棟を要し農薬・化学肥料・動物性肥料を使わない農園、それを使ったレストランやクリニックを運営して、人の進化をテーマに様々なセミナーやイベントを開催し、世界中から多くの人々が訪れています。
出迎えてくださったのが、代表者の1人である塩澤研一さんで「水輪」の成立ちについて語られました。奥様のみどりさんとの間に50年前に授かったのが、早穂理さんで、脳に重度の障がいを負った赤子であった。4回の危篤を乗り越え、必死の介護をしていた夫妻であった。1軒しかなかった「水輪」に不思議なことに次から次へと人が訪れて来た。天河神社の柿坂宮司や高野山の宮島阿闍梨や映画監督の白鳥哲さん、そして京セラの盛和塾の稲盛塾頭。彼らから物質的な支援や励ましの言葉などをいただき、自分も一人ひとりが自己を清め、意識を高めていくための学びの場を提供したいと考え、全国を行脚して資金を集めて、今の形ができたということです。そして言います。現代社会は何が本当かウソかが分からなくなっている。マスコミ(新聞・テレビ)とネット関連で二元化して対立軸となっている。我々人類は二元的な損得の世界から1つであることを思い出し、自分の精神性や競争意識の在り方を変えていくことが大切と話されました。夕食の後、和太鼓のソーラン節の演舞がありました。踊る青少年たちは、皆ドロップアウトし、心に傷を持ち、問題を抱えて、乗り越えるために学んでいる人たちでした。現在は気迫の演舞をするまで回復し、その姿は、全身から溢れかえるような圧倒的なエネルギーの塊でした。最後に「水輪」で何ができたか、何を学んだかを話されました。とめどなく流れる涙を抑えることはできませんでした。感想を述べる機会をいただいて、「人を動かすものは、只、感動である」と話していました。
「水輪」のエネルギーの源は地球の聖地を通る18本の線の内、2本が「水輪」で交差しており、2つのストーンサークルであるようです。この源を十分に味わい、帰途につきました。
「水輪」のキーワードは「生き合う」です。人間の本来の幸せは1人で得られるものではなく、様々な人との関係性を通じてお互いに助け合い支え合う温かい繋がりの中で実現するということです。「生き合う」が自分の中のテーマとなりました。
また参ります。ありがとうございます。いのちの森「水輪」。
合掌
2025.09.01
えらぶるはバカの始まり
倫理研究所の丸山敏雄さんは「えらぶるはバカのはじまり」ということを言います。
「自分でえらぶっても、えらくなるものではない。人からバカにされても、自分でバカにならねば、バカになるものでもない。えらぶるその時から、バカになり始める」と。
この話を聞いてアマチュア時代の石川遼選手を思い出しました。彼が、大きな大会出場を目指し予選に出場しましたが、力不足で予選落ちとなってしまいました。終了後、会場をすぐに出るところですが、彼は大会関係者一人ひとりにお辞儀をして御礼の挨拶をして回ったのです。すると、その光景を見ていた大会の人が「明日まで待ってください。欠場者が出たら繰り上げ出場できるように手配します。」と話し、聞いた石川選手は会場で待ちます。翌朝、欠場選手が一人出たので、繰り上げ出場できるようになったのです。本戦では、大会の最終日にバンカーショットが直接カップインするなどの奇跡的なショットもあり、プロの大会ながらアマチュアとして初優勝を成し遂げたのでした。その後、石川選手はプロに進み、現在は世界的なツアーにも参戦しながら、日本を代表するプロゴルファーとして活躍を続けています。彼は練習、試合を問わず、プレーが終了すれば、コースに深々とお辞儀をし、トイレでは備え付けのタオルで、すべての洗面台を綺麗に拭いてから出てくるそうです。実力第一のプロスポーツの世界ですが、人や物に対しての謙虚さが運を呼び寄せ、周囲への感謝や心配りが、多くの人から協力を得ることに繋がっているのだと思います。
「実るほど頭を垂れる稲穂かな」という“ことわざ”は、逆に勝ち続けるうちに知らず知らずに傲慢になり、人からの協力を得られなくなることを戒めた言葉です。経営者においても同じだと思います。相手がいくら大きな成功をおさめていても、態度が傲慢であれば、協力したくなくなり、反対に常に謙虚な人には協力の手を指し伸ばしたくなるのが、人間の素直な気持ちだと思います。「えらぶるはバカの始まり」言葉は知っていても、なかなか人への態度は変わらないもの。一人ひとり反省してみてください。家庭でも職場でも、横柄な態度を取っていないかどうか、です。日々、謙虚さを忘れず、周囲への心配りを忘れずにいたいものです。
合掌
2025.08.01
自分の足下を深堀りすることの意義について
もちろんまだまだ人生の旅の途中ですが、そこそこ分かりかけてきたことがあります。それは生き甲斐という幸せのプロセスを見つけ出すには、まず自分の足下を深堀することがよいのではないかということです。深堀りするとは与えられた仕事をコツコツと地道にやり続けると、その人にしか行けない泉に辿り着き、それが社会で役に立つ行為や活動となり、人から評価され、賞賛を受けるようになる。つまり自分の人生に大きな意味を見出せるようになるということです。
致知出版社から出された「1日1話、読めば心が熱くなる365人の仕事の教科書」に出てくるプロフェッショナルと呼ばれる方々は、全てある一つの道の達人であり、寝ても覚めてもそのことだけを考え続けて偉大となった人々の物語であり、我々凡人にも大きなヒントを与えてくれています。
道場六三郎氏は「スピードアップだけでは、人の2倍の仕事はできません。冷蔵庫の使い方でも工夫しました。どこに何が入っているのか分かっていました。冷蔵庫の中を仕切ってどこに何が入っているかをメモにとり、扉に貼っていたからです。こうすれば、指示されたものをすぐ取り出せるし、庫内の温度も上がりません。冷蔵庫の開け閉めなんて些細なことだと思うようでは、一流の料理人にはなれませんね」。
イチロー氏の目標設定に関する次の言葉にも深堀感を感じます。「目標は高く持たないといけないんですけど、あまりに高すぎると挫折してしまう。だから、小さくても自分で設定した目標を一つひとつクリアして満足する。それを積み重ねて行けば、いつかは夢のような境地に辿りつく」。
ユニクロの柳井氏は「結局サラリーマン意識じゃダメなんですよ。自分は会社という場所に、【自営業】をするために来ている。自分は給料を貰っている立場だとかじゃなしに、自分が会社を食わせている、というふうに思わないといけないと思います。仕事が面白いと思うためには、自分がそこに本当に懸けないと、絶対そうは思えない。中途半端な気持ちでやっていたら、面白くも何ともないですよね」。
深堀りの究極のお話は、京セラの稲盛氏です。「研究に没頭する中で、大きな【叡智】に触れた感覚がある。それはこの宇宙のどこかに【知恵の蔵(心理の蔵)】ともいうべき場所があって、私は自分でも気がつかないうちに、その蔵に蓄えられた【叡智】を新しい発想やひらめきとして、その都度引き出してきた」。世界の知性ともいうべき科学者から【創造】の瞬間とは、人知れず努力を重ねている研究生活のさなかに、ふとした休息をとった瞬間であったり、時には就寝時の夢の中であったりするそうです。そのような時に、【知恵の蔵】の扉が開き、ヒントが与えられるというのです。
4人の偉人を紹介しました。我々も今の仕事を深く見つめ直し、命懸けの態度で臨めば、たどり着ける領域ではないかと信じます。
合掌
2025.07.01
過去の日本発展の「礎」は何だったのか?
日本のGDPの歴史を紐解いてみると、世界の1人当たりの名目GDPは2000年には、184国のうち、ルクセンブルクに続く2番目だったものの、それからは下がっていく一方で、2024年には190国のうち36位です。2位だったときの金額は約400万円で24年経過した現在36位の金額は約500万円です。ちなみに現在も1位を継続しているルクセンブルクは2000年には約800万円だったのが、2024年には、約1900万円で、実に240%の上昇率で、日本とは雲泥の差になってしまっています。他の国の同年間の上昇率を比較すると、アメリカ、イギリスはやはり240%、ドイツは200%、お隣の韓国は 360%そして中国に至っては何と1200%です。全体GDPが2位になる訳です。
日本の1人当たりGDPが伸びてこなかったのを称して「失われた20年」と言われ、その理由は本当に多くあるのでしょうが、逆に2000年までの日本の成長率が半端なくすごかった、と言えるのではないのかなと思います。
今回はなぜ、2000年まで、これほどに高度成長ができた理由を私見で述べたいと思います。
一番の理由は戦後まもない朝鮮戦争特需で、輸出額が飛躍的に伸びて、あらゆる産業の勃興から進展があったことが挙げられます。それからも岩戸景気、オリンピック景気、イザナギ景気などの景気浮揚政策を経て、最高はバブル時代を迎え、そして終焉します。この戦後50年で、他の国にない経済成長ができたのは、それを支えた日本人の素晴らしさがあったと考えます。
それは、2つあって、1つは安全を第一にする国民性だと思います。高度成長期に、あらゆる製品が開発され、世界中で、品質において「ジャパンイズNo.1」とされましたが、開発の途中では、いろいろな危険が付き纏うこともあったと思いますが、何があろうと技術者の命を守るという強い信念があるため、相互に最高の安全度をもって、開発に着手したからこそ、世界で一番の製品群を作ることができたのです。この考えの礎になったのは、古くは、秀吉時代の刀狩りであったのではないかなとも思います。刀を無くし、争いを止め、融和することでお互いの命を守ろうという考え方です。
そしてもう1つは、高い精神性です。江戸末期に列強が日本を侵略しようとして、ふと街角を見ると、多くの民が立ち読みながら、本を読んでいる。自国では見ない光景に侵略を思い留まったといいます。この読書文化の礎になったのは、徳川家康が寺子屋文化を作って、庶民に文字を読むという教育を施したからです。正に読書する習慣がこの国を戦争から守ったのです。読書で育まれた高い精神性は、独特な文化をつくり、思いやりや慈しむ心や柔軟な心や相手を許す心となり、真面目さも相まって、経済発展に寄与したことと思います。これからは日本が再度成長する時代です。この二つの想いを更に高めていって、日本人に生まれたことを誇りとして生きて参りましょう。
合掌
2025.06.02
追悼の記~鍵山秀三郎さんを偲ぶ
鍵山秀三郎さんは言わずと知れた掃除の神様です。当たり前にやる掃除を徹底的に磨き上げる中で、掃除のやり方と自分の心を磨く方法を確立されて、掃除道として、「掃除に学ぶ会」「日本を美しくする会」を立ち上げました。脳梗塞で倒れ、今年1月2日に逝去されるまで、ひたすらに掃除の実践を重ねてその功徳により、掃除の運動は全世界に広まり、人を育て、環境を良くしています。
鍵山さんとの個人的な思い出があります。10年程前に、タニサケの松岡会長が音頭を取り、「新宿掃除を学ぶ会」の前に、鍵山さんを囲んで5名でお蕎麦をいただきました。初めてお会いし、名刺を交わしたときに、直立不動の姿勢と暖かい眼差しがとても印象的だったのを思い出します。翌日は新宿で早朝から200人程度で掃除をしたのですが、鍵山さんが、下水道に繋がる側道のグレーチングを外して、這いつくばって掃除しているのを見たときは、ここまでやるのかと驚きを禁じ得ませんでした。「凡事徹底」とは、こういうことなのだと思ったものです。鍵山さんの講演では、自分の体験から染み出した独特の珠玉の言葉がありました。生涯の信条は「人の心をすさませない」で、すさんだ心の集団・会社ほど悲惨なものはないと述べています。その他多くの語録を残しています。
①微差の積み重ねが大差になり、絶対差になる。
②(人でも物でも)いま、手もとにあるものの価値を生かす。
③世の中では死ぬか生きるかというような修羅場を潜ると、大抵の人はしたたかな人、あるいは心のすさんだ人になりがちです。
俺はこんな修羅場を潜ってきたから怖いものはないんだという人間になってはいけない。どんな苦しい体験をしてきても、いつも純粋で柔軟な心を持って、瞳が澄んでいるような生き方をしたい。
④できるだけ手を抜いて、小さな努力で大きな成果を得ようとする人は、一時はよくても必ず行き詰まる。
⑤「益はなくても意味はある」自分の利益に結び付かないことでも、周囲の人や社会・国家のために努力すること。それ自体に大きな意味がある。
⑥人間の幸福は、自由の中に存在するのではなく、義務の甘受(快諾するという意味に使われた。今とは異なったニュアンス)の中に存在する。
⑦我を捨てて人に尽くしている人の存在感はどんどん大きくなってくる。逆に、お世話になる立場から抜け出せない人は、どんどんしぼんでいく。
⑧やらなければならないことだけをやっているようではだめ。本来、やる必要のないことをどれだけできるか。それが人間の魅力をつくる。
掃除を徹底すると、いろいろなことが見えてくるのでしょう。鍵山氏の言葉を自分のこととして実感できるようになりたいですね。
合掌
2025.05.06
「人財」になりたい人たちへ
弊社は創業が1957年なので、もう少しで創業70周年になろうとしています。前にこの「ひとりごと」で書いたように企業は100年、200年と継続していくことが最も大切なことで、これを「ゴーイング・コンサーン」と呼びます。このためには何が必要かと申しますと、一にも二にも「人財」なのです。企業の人は必ず2:6:2の法則に分類されます。2の「人財」6の「人材」2の「人罪」です。自分はこの内のどれかを判断し、(まったくの自由判断です)「人材」か「人罪」の存在に気付いたら、上に向かって日々の行動や考え方を改めていくことがとても大切です。世の中にはいろいろな社長がいて、いろいろな「人財」像があって良いわけですが、自分が考える「人財」とは何かを改めて列挙します。
① 挨拶ができる
自ら先手の挨拶は相手に好感情をもたらし、潤滑油となる。積極的に挨拶できる人。
② 聞き上手である
相手の心を開くにはまずじっくり相手の話を聞くこと。自分の話をしたくても、相手の出方で、黙っていることができる人。
③ 多読である
問題ごとの解決のためには、関心ごと以外にも多くのヒントがある。本屋や図書館をうまく利用できる人。
④ 何事も関心をもち、すべてを自分ごととしてとらえる
社会や会社に起こる全てのことを自分に起こったこととして、自分だったらどう考え、どう行動するのかをいつも考える。柔らかな発想ができる人。
⑤ 「相手のために」を考えて発言する
部下に限らず、その人物の成長のためには、どうしたら良いのか、優しい言葉をかけるだけで良いとは限らない。いつも人の成長を願うことができる人。
⑥ 自分なりの目標を掲げてコツコツ行動する
一つの目標(関心ごと)を持つと日常にいてもその達成のために必要なことが下りてくる。
目標を常に思い続けることができる人。
⑦ 綺麗好きである
落ちているゴミを拾う。特にトイレは大切。
下座行の実践の舞台にできる人。
⑧ 時間厳守はあたり前である
時間に遅れることは相手の命を奪う殺人者であることを知っている人。
⑨ 人のためにお金を使う
お金はエネルギーである。相手にエネルギーを使うと、もっと大きなエネルギーを得られることになることを知る人。
⑩ 決して諦めない心をもつ
耐えるエネルギーは未来に充電されている。未来に開花するまで耐え抜くことを知る人。
⑪ 人生二度なし
人生の要諦。盲亀浮木。明日死ぬかのように生き、永遠に生きるかのように学ぶ人。
弊社で働く一人ひとりが「人財」となり100年企業を目指して参りましょう。
合掌
2025.04.01
下座行を深掘る~YAP遺伝子の活性化
森信三哲学の弟子の寺田一清さんの下座行についての言葉です。
「昨今は、自己アピール全盛の時代だ。自分を知って貰わねば、不当に評価され冷や飯を食わされる。と自分を必要以上に大きく見せる人も多い。それとは真逆な考え方が、この下座行だ。どんなに低く見られようと、それを微塵も不満に思わず、淡々と仕事をこなし、生活する。人よりも一段と低い位置に身を置き、不平不満を表さないことは、己を磨く修練であり修行だ。人は一生のうちには、何度か高慢になるときがある。現在成功しているいないに関わらず、自分よりうまくいっていない人、もっと下にいる人を見ると、見下したり高慢になったりする。なまじ学歴や、才能が自分にあると思っている人は、この罠に陥りやすい。自分の高慢な心を打ち砕く「下座行」は、年を重ねれば重ねるほど必要となる。
次に父磯野俊雄から聞いた下座行の言葉です。
「商人はすべからく頭を下げよ。先に頭を下げた人が勝者だ。人より先に頭を下げられたら、しまったと思え」「写真に写るときに、率先して中央に行く奴はダメな奴と思え」「会社に来る人々は全て福の神である。全ての来る人に暖かい言葉をかけよ」
次に江戸しぐさからもこの下座行は学ぶことができます。
① 江戸の「お早う」言葉
「おはよう」の挨拶は、これから始まる一日はどんなことがあるかわからない時点で朝早くの真っさらな自分の心の状態を伝え、「あなたにとっていい一日であるように」と願う言葉だった。
② 「あとひきしぐさ」
客を送り出す際に、姿が見えなくなるまで見送る。相手の心に余韻が残ってもう一度話をしてみたいという名残惜しい気持ちになっていただくような心遣い。
③ 「草主人従」
自然が主で人間が従という宇宙観を持ち、人間は謙虚さを欠いてはいけないという教えです。
最後にノーベル賞受賞者の天野浩教授の逸話です。
ノーベル賞の候補に挙がって10回目で受賞したが、当日は名古屋大学に黙って海外に雄飛していた。着いた飛行場で取材の人ごみを見て有名人が来ているのだと思ったら自分のことで驚いた。日本では本人がいなくて大騒ぎとなり、本人不在の祝う会となった。メールを見たらノーベル委員会から1週間以内に連絡を寄こさないと受賞を取り消すと連絡があり、慌てた。
自分の成功については多く語らず、苦労話やこのエピソードを面白く語る教授でした。
下座行は自分もまだまだ足らないし、永遠に考え自分の日常に落としていくテーマです。
発がん抑制などに寄与するYAP(親切遺伝子)は、下座行を意識することで、活発に活動するのかも知れません。
合掌
2025.03.03
下座行について
株式会社タニサケの元会長松岡 浩さんは、いつも語っていました。下座行の大切さを知ることだよと。自分の立場をいつも下座に置くことにより、階段を一歩ずつ登っていける。するといつのまにか、誰も行けない場所からあらゆる景色を見渡すことができる。経営者だけでなく、人として大切な心構えであると。実際にタニサケ様の企業理念は「先も立ち、我も立つ」で、「人を喜ばせた後自分も喜ぶ」ということです。では、何故下座に立つと登って行けるのでしょうか?
登っていくという行為には、「進むが良いか退くが良いか」の判断を常にしていくことがあります。どうやら必ずしも進むのが良いとは限らないことも多いです。進み方次第では形の上では大いに進んでいるように見えても、その実かえって退いていることがあり、その反対に一見いかにも退いているように見えて、実は大いに進んでいる場合もあります。人の生活の場で例えるならば、退くことの好きな人ほど、かえって共同の仕事の推進力となり、進むことの好きな人ほど、かえってその邪魔になるということが、よくあるものです。このような事例から進むのが良いや退くのが良いといっただけでは、訳がわからなくなります。何が本当に進むことであり、何が退くことなのでしょうか?
どうやら「公共のために自分を生かすのが、本当の意味で進むことであり、その反対に自分の立身出世のことばかり考えるのが退くこと」と考えたらよいようです。公共のために生きるのは、第一に謙遜であるべきだと思います。謙遜な人ほどよく人に功を譲ります。形の上ではいつも退いてばかりいるように見えますが、その実共同生活の全体を押し進めている人なので、本当の意味で進んでいる人です。
中江藤樹の言葉があります。「人は生まれた瞬間から、人に勝ち、人の上に立ちたいという気持ちをもっています。その癖、そういった資格を備えるようになったのは極めてまれです。それはなぜかというと、人に譲り、人の下に立つことを学ぼうとしないからです。人の上に立つものは、必ずまず、人の下に立つことを学ばねばなりません。それも将来、人の上に立つことを目当てにして、その手段として人の下に立つことを学んだのでは何の役にも立ちません。それでは決して人の下に立つ道は会得されないのであります。純一無雑になって喜んで人の指図をうけ、心むなしくして人に教えを乞い、一生それで終わっても悔いないだけの慎ましさがあって、初めてそれは会得されるのであります。そして、それでこそ自然に人に推され、人の上に立つだけの資格ができるのであります。よく下るものはよく学び、よく学ぶものはよく進む。これが学問の法則でもあり、また処世の法則でもあります」と。
下座に立つと自我を超えて、全体がどうあるべきかについて考えだします。下座に立つとは、社会公共のために生きる心の出発点なのです。
合掌
2025.02.03
そろばん哲学という生き方
未来会議のスタッフにお願いして、強くて愛される会社研究所によるサーベイを実施し、弊社の診断レポートを拝見させていただきました。弊社の強くて愛される会社度は64.9ポイントであり、「ギリギリ強くて愛される会社」と診断されました。濃い内容のものをざっと目を通させて貰い感じたことは、経営者・経営幹部・社員の間に大きなギャップがあるということ。ギャップを縮めることができ、相互の距離が縮まり、風通しが良くなれば、社員のウエルビーイングが高まり、更に本物の強くて愛される会社になっていくと思います。未来会議の皆さんの力を借りて、このギャップを埋めていくためにどうすれば良いか、本年から考え、ひとつずつ行動を起こしていきたいと考えています。
ギャップを埋めるための行動指針として、下村湖人さんの「青年の思索のために」の中に熟考すべき中身があります。それは「そろばん哲学」という内容です。紹介します。甲野さんのそろばんから生まれた人生哲学。簡単明瞭で、「引き算と割り算は数の勘定に役立つだけでもうたくさんです。人間と人間の関係に引き算や割り算があってはなりません。人生の営みは全て足し算と掛け算でいきたいです。」また、「自分が大将にならねば気がすまない人、他人を批評してけちをつけたがる人、そねみ深い人、一言居士―およそそうした人たちは、自分では人一倍世の中の役に立つという自信をもっている人ですが、実は白痴や怠け者以上に世の中の害になるものです。白痴や怠け者は、せいぜい人生の引き算をやる程度ですが、こういう人は大いばりで割り算をやるからです。何といっても割り算ほど人生にとって恐ろしいものはありません。」甲野さんが、能率の上がらない人を指導して、能率をあげさせる手際というものはまったく驚異的でした。それは「一に一を足すと二になり、二に二をかけると四になり、野菜に肥料をかけると伸びがよく、火に油を注ぐと燃えが良くなります。要するに引き算と割り算をやらないで、足し算と掛け算でいくことですよ」。甲野さんの人生の理想は、むろん足し算より掛け算の方でした。「足し算の人生では、甲の人の力と乙の人の力がそのまま集まるだけで、お互いにちっともその力を強めあうことがありません。ところが掛け算の人生となると、甲の人の力は乙の人の中に、乙の人は甲の人の中に溶け込んで、お互いに力を強めあうのです。つまり自分を忘れ、他を生かそうとするところに、二と三が五にならないで六になる、掛け算の秘密があるのです。人生の理想は創造にあると思いますが、二と三が六になってこそ創造と言えるのです。そしてそれには、お互いに自分を忘れて他を生かす、掛け算の人生を送ることが大切です」いかがでしょうか。人と人の間は、足し算と掛け算で在りたいですね。
今回のサーベイでのギャップは、足し算と掛け算の関係で埋めていきましょう。
合掌
2025.01.06
追悼の記~松岡 浩さんを偲ぶ
人は一人では生きられない。母親の深い愛情から始まり、父親や師匠から教えを受け
学び、生きる手立てを身に付け、与えられた人生を全うする。人生は恩人に溢れていると
言ってよいだろう。自分の人生63年を振り返ってみても学生社会人時代に多くの人の世話
になり、今も曲りなりに経営者の立場を頂いている。
多くの恩人の中でも52歳の時に出会ったタニサケの松岡会長は恩人中の恩人である。
きっかけは1冊の小冊子「生きる力」だった。それは会長が「心の小冊子」シリーズと名
付け10年以上毎年発行していた。ある方はこの小冊子を手製の仏像と言った。少々のご利
益ではない。手を合わせて受け取られることをお薦めしたいと。当時弊社は業績の悪化で
、大変な状況に直面した。そこで、メインバンクの救済を仰ぐことになり、バンクミーテ
ィングも数回行われた。最終的にはメインバンクに支援してい頂けることになり、廃業は
免れた。その過程の中で憔悴し切った自分に「生きる力」が与えられた
のだった。
本で知った2日間の「タニサケ塾」に向かった。大垣駅で塾に向かうマイクロバスに
乗り込んだ。後々になり、会長から言われたことがある。「最初に君を見たとき亡霊が乗
ってきたように見えた」。あまりにやつれた自分はそのように見えたのであろう。最終的
には4回塾に行った。会長から受けた珠玉の言葉や訓練は文面にすればたわいもないこと
であったが、会長の体験と共に語られる言葉の重みに自分の五感はことごとく反応して、
何度も何度も涙を流した。悔しさの涙、懺悔の涙そして感謝の涙であった。
教えは多岐にわたり言葉を重ねたら切りがないのであるが、今でも弊社の経営ができてい
るのは、「自己中心」から「他者中心」に自分の心がシフトしたことであろう。共にバス
旅行する機会があったとき、手の平にマジックで書いて頂いた「他者中心」の言葉は、今
でも手の平に感触は残り、心に刻みつけられている。
昨年、11月25日に80歳で逝去され、最後のお顔を拝見させて頂いた。どんなに忙しく
ても我々のために時間を作って、行くたびに見せてくれた満面の笑顔が思い出されて嗚咽した。
会長、自分も天に召されたとき、再び経営談義で花を咲かせたいです
。少しはお前も成長したな、なんて言って頂きたいです。その日が来るまで、小冊子にも
ありました「大感謝」を忘れません。
本当に会長!ありがとうございました。
合掌