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2023.12.01対立しつつ調和する

~理想の労使、トップと幹部の関係~

 創業100 年を超える「パナソニック」の生みの親、経営の神様といわれた松下幸之助さんはあまりにも有名で、数々のエピソードを残しました。今も京都には松下資料館があり、多くの人々に生きるヒントを与え続けてくれています。その中で私がとても印象に残り、弊社もこうあるべきだと思ったことを紹介してみたいと思います。

 それは昭和21年、松下電器に労働組合が結成された時のことです。結成大会において、社長として祝辞を述べようにも組合員に容認されない状況に直面したのです。そして、場内騒然の内に登壇を許された松下幸之助さんは、次のように語りました。

 「労働組合の誕生を私は心から祝意を表したい。今後は組合から会社に対し、提案や要望が出てくるだろう。それが国家国民のため、皆さんのためになるなら、喜んで聞いていこう。けれども聞くべきでないことは聞かない。そして共々力を合わせて日本の再建に努力していこうではないか」。

 この祝辞に割れんばかりの拍手が起こったといいます。当時はまだまだ結成された組合は経営者の悪口を言い、経営者も組合の結成式には出席しないのが当たり前の時代でした。そんな労使関係を打ち破るために自ら歩み寄ったのです。

 さらに言います。

 「労使の関係は“対立しつつ調和する”という姿が望ましい。つまり、お互いに言うべきは言い、主張すべきは主張する、というように対立するわけです。しかし、単にそれに終始するのではなく、一方では受け入れるべきは受け入れる。そして調和をめざしていくということです」。

 組合のない弊社でいうと、組合のように社員の意見を代表して言うべき存在が、課長職以上の管理職社員にあたると思います。「対立しつつ調和する」という労使関係のあり方は私を含む役員と管理職社員の関係もこうあるべきと思うのです。

 役員と管理職社員の意見が違ってもいい。いや、いつも同じであればかえって危険かもしれません。それぞれがしっかりした自分なりの意見をもち、その意見が「対立しつつ調和する」ことが良いと信じます。

 そのような意見には「進言」と「諫言(目上の人の過失などを指摘して忠告すること)」 があります。進言と諫言がうまく調和され、体現される会社こそ、必ず良いもの、より進化したものが生み出されるに違いありません。

 いその㈱もパナソニックと同じように100 年以上継続する企業を目指します。「対立しつつ調和する」高い信頼に基づく関係を創ってまいりましょう。

合掌

2023.11.01100年企業に向けて

 弊社は今期57期を迎え、創業から数えますと100年企業までは、40年弱となりました。これからの若い社員さんらのお力を借りて、必ずや100年、そして、またその先の200年企業を目指したいと思っています。

 幸いにも日本は世界一、長寿企業の多い国のようです。世界の創業100年以上の企業は約8万社あり、日本の企業は3万3千社で41%です。そして、200年以上の企業は5万2千社で65%を占めています。多くの100年企業を見てきたコンサルタント会社が「長く続いている企業に共通する特長」を発表しています。弊社に当てはめて見ていきます。

① 不易と流行を合わせ持っている。
 ✔️「不易」とは変わらない使命や価値。
  「流行」とは変えていく日々の活動の意味。

  弊社の「不易」とは、プラリサイクル材料を通じて地球環境に貢献するであり、廃棄されそうなプラをどう使いこなすかを考える姿は、「流行」に繋がるのではないでしょうか。

② 独自の使命が明確に言語化されている。
 経営理念「今こそ地球に恩返し」を唱和しています。

③ 業界の常識にとらわれない発想をもつ。
 15年前から誰もやっていないELVからの精緻プラスチック回収を始めたことは、常識外の発想でした。

④ 社員を大切にしている。
 ✔️企業が社員一人ひとりの“働きやすさ”と“働きがい”を、いかに大切にできているかの部分が大きい。

 57期のスローガンは、「社員一人ひとりのウエルビーイング」です。一人ひとりが自分なりの幸せ感を継続して参りましょう。

⑤ 世の中、地域への貢献を実践している。
 ✔️世の中や地域に愛されている存在である。

 協同募金会の会長職を務めていたり、ボトルキャップで得た収益を寄付したりしていますが、この部分は、まだまだ、できていないと思います。

⑥ 成長意欲が高く、学び続けている。
 ✔️素直に学び続け、いいと思ったことを取り入れていく。

 新しい税理士グループとの数年に亘る会合で、弊社に内在した不都合な点を改善してきました。これからも一人ひとりの成長意欲こそが100年企業の原動力だと思います。

 以上は私の所感です。皆さんの率直な意見をお聞かせください。共に100年、200年企業に向かって歩んで参りましょう。

合掌

2023.10.02三方一両損という考え方

 「三方一両損」という落語があります。あらすじは、左官の金太郎が三両の金(かね)が入った財布を拾い、その中に持ち主の「書きつけ」を発見し、届けに行きます。それは大工の吉五郎のものと判明し、本人に返すべく吉五郎を訪ねるのですが、吉五郎は江戸っ子らしく、「自分の懐から飛び出すようなものは、もはや俺の金じゃねぇ。てめえにくれてやらぁ」と、突っ返します。金太郎もまた、江戸っ子らしく、「冗談じゃねぇ。そんなもの受け取れねぇ」と、断固、受け取りを拒否します。この諍いが裁判沙汰になり、名奉行の大岡越前(大岡忠相)が裁くこととなります。

 大岡越前は「どちらの言い分にも一理ある」と認め、自らの懐から一両を加えて四両とし、金太郎と吉五郎に二両ずつ、分け与える裁定を下します。つまり、金太郎と吉五郎は、本来、三両もらえるはずが、一両損して二両ずつ。大岡越前は自らの懐から一両出費したので、三人とも「三方一両損」として双方を納得させたというお話です。

 江戸っ子らしさ溢れる「余計なカネはもらいたくない」という点が、今どきの「儲けた者が勝ち」という「今だけ、カネだけ、自分だけ」の風潮とは真逆にあるせいか、爽快感をもって今の時代にも受け入れられている落語です。この落語から我々が学ぶことができるのは、「人間関係をうまく維持継続するためのひとつの方法だ」と、考えることだと思います。

 現代社会においても、二人の間に揉め事が起こるときは、二つの選択肢があり、どちらかが一方を選択すれば、もう一方の不利益なことが起こる場合です。この場合、解決方法として、じゃんけんやくじ引きなどで決めたりしますが、諦めきれず、禍根が残る場合も多々あります。三人目の人がこの「大岡裁き」のように、少しだけ不利益を被ることで、三人が円満になり、ものごとが前に進むということがあるのではないでしょうか。正にこの三人目の人が、ちょっと損をするけど、リーダーシップを執れる人であり、ものごとの中庸を知り、バランス感覚良く、人生を楽しく生きることができる人であると思うのです。

合掌

2023.09.01人から学んだ二つの健康法

 ご縁で中部経済同友会に入会させていただき、各種の講演を聴く時間を頂戴しています。先日、京都大学名誉教授の森谷敏夫さんから学んだ健康法が、以前から何故だろうと思っていたことの解答を得て、納得できたことがありました。そのことを共有したいと思います。

 健康法の一つ目は睡眠時間を7~8時間取ることです。体中の老廃物を排泄するのはリンパ節ですが、リンパ管があるのは、首から下だけです。脳は人間の1日あたりの栄養摂取量の25%を使いますが、その老廃物はどのように廃棄されるのでしょうか?実は睡眠時には、脳が少しだけ小さくなります。その隙間に水分と共に、脳内ホルモンが分泌され、脳のしわの中に入り込んで、アミロイドβ(ベータ)と呼ばれる老廃物を分解するのです。その分解時間が7~8時間ということです。眠いのは、まだ老廃物の処理が終わっていないためです。認知症やアルツハイマーにならない為にも重要なことだと思います。また短い睡眠は、がんの発生を抑制するナチュラルキラー細胞の70%も喪失させ、がん発生の可能性を高くします。教授は「睡眠は最強の万能薬だ」と仰います。

 二つ目は、筋肉を動かすことです。立つことでも歩くことでも構いません。立つことは座ることの1.3倍、歩くことは3倍のカロリーを消費します。現代人は座りすぎということです。過去、宇宙飛行士に3週間に亘りカロリーの高い宇宙食を与え続けたところ、例外なく、糖尿病になったようです。現代人は動かなくなった分だけ、常に栄養を摂り過ぎている状態になっているということです。脳にとっての栄養は炭水化物だけで、人間に取り込まれた炭水化物の90%は脳と筋肉で消費されます。現代人は筋肉での消費が満足でないため、それを補う現象として、すい臓からインスリン(インシュリン)が分泌され、やっと分解している状態です。それが続くと、すい臓の機能が低下して、糖尿病になるということです。筋肉は糖と脂肪を燃やす器官と考えて、1日30分以上の運動は必ずやって欲しいとのことです。

 森谷教授は現在72歳で、毎年の健康診断では、全てA判定です。今でもボディービルの大会に出るほどの筋肉で、顔からも若々しさが溢れています。我々も学んだことを実践して、自分自身の健康寿命を長くして、人生を楽しんで参りましょう。

合掌

2023.08.012025年から日本は良くなる~森信三の予言~

 敬愛する日本の教育者 森信三先生が天に召されてから、30年が経過しました。『修身教授録』をはじめ多くの著書は、我々に人生の意義を深く学ばせ、生きることの尊厳を教授し、人々を覚醒させ、幸せに導いてきました。「人生二度なし」の言葉は胸にズシリと響いて我々の「毎日をより良く生きるために」を試しているかのようです。そんな森先生は、「2025年になったら、日本は再び立ち上がるだろう。2050年には、列国は日本の底力を認めざるを得なくなるだろう」と予言しています。

 この2025年まで残り1年半です。私は、至る所に日本の発展の兆しを感じます。一番感じたのは最近の新幹線の乗客です。中国以外のインバウンドがすごく多いです。車両の3分の1が訪日外国人のイメージです。これは、コロナ禍の最中、日本人が世界に日本の良さをうまく発信できたためだと思われます。世界、そして中国でも、一番行ってみたい国は日本だということです。京都など歴史が残る日本の風景。掃除が行き届いてゴミひとつない綺麗な街並み。スタジアムでゴミ拾いをする思いやりをもつ日本人。競馬場で落とした財布が落とし主に戻ってくる豊かな心と治安の良さ(実話)。世界中の料理を独自にアレンジして、本場より美味しくしてしまう味覚の幅広さ。日常生活にありふれたグッズ類のデザイン性や高機能性など。そして直近の為替相場の円安傾向。あらゆる情報が日本から発信されて、日本の魅力が世界に伝播した成果と思われます。

 日本へのインバウンドは、2019年には3,100万人だったようですが、これからは、中国人も含めてますます増加し、もう5年経過したら、1億人のインバウンドも夢ではない気がします。GDP(国内総生産)がこのインバウンド需要に従って伸びていくのは、間違いないと思います。他にも2025大阪・関西万博で世界に日本発祥の技術と文化が発信されていきます。今回の万博の目玉である空飛ぶ自動車は、その安全性を立証できれば、ゲームチェンジャーとなって日本がグローバルスタンダードを取る可能性もあり得ます。

 また、ウクライナのゼレンスキー大統領は、自国の復興に関して、東日本大震災から復興した日本を見習いたいと言っています。福島で利用されていて、世界から注目されている土壌洗浄技術があることと、50年かけて更地に戻そうとする日本人魂が好きだそうです。他にもケミカルリサイクル、全固体電池、合成燃料技術や太陽光の利用の高度化で、2050年にはカーボンニュートラルをやり切ってしまうのが日本だと思います。「列国」は日本の凄さを2050年に、まざまざと見せられることになるのだと信じます。

 我々日本人は、明るい未来に向かって強く歩んで参りましょう。未来は我々の手で創りだすものです。

合掌

2023.07.03笑顔に責任をもつ

 最近いろいろな場所で、締めの挨拶を頼まれることがあります。もちろん一丁締めや一本締めをやるわけですが、その前に何を話すのか懸命に考えるわけです。自分の場合は事前に言われることが少なく、実際には、宴の後半になって言われます。するとその時から、料理も酒も喉を通らなくなり、緊張が始まります。何を言ったら皆さんにとって嬉しい言葉、時勢にふさわしい言葉になるのか。自分なりに懸命に考えます。長過ぎず、短過ぎない言葉をひねり出します。実はこの切羽詰まったときに案外良い言葉が飛び出ることがあります。先日も会社経営者が中心の総会の宴席の締めがあり、一言話す機会をいただきました。その内容です。

 「久しぶりの立食形式の懇親会で、着座形式と違っていろいろな方と交流が出来て盛り上がった感がありました。いよいよコロナ禍前に戻ってきたという感触で嬉しく思いました。この3年間、我々は本当に苦しい思いをしました。思うように売上・利益が伸びず、先の見えないコロナ禍で人知れず泣き叫んだこともあったでしょう。それでも経営を続けなければならない我々がコロナ禍から学んだことは『経営者は笑顔に責任をもつ』という言葉ではないでしょうか。我々はコロナ禍という壁を破って人として大きな学びを得た気がします。」

 これに、会場からは多くの共感の声を頂戴しました。よくよく考えてみれば、私たちは総じて他人から受ける影響には敏感ですが、自分が他人に与える影響には多少鈍感なところがあります。実は、私たちの行動や感情は周囲にいる人たちに多大な影響を与え、その場所の空気感を作り、いいことも悪いことも自分に返って来ることをしっかり認識することが大切なようです。ましてや、会社のトップである経営者が笑顔でなかったら、やはり暗さが会社に伝播して、悪い方向に行くことは間違いありません。

 苦しいときの経営者の笑顔は、何にも増して経営に覚悟があることを顕しています。何としても会社を護ろうとする覚悟です。楽しいときはもちろん笑顔。苦しいときもしっかり笑顔。経営者はいつも笑顔であらねばならない。経営者は「笑顔に責任をもつ」のが正しい「生き方」と言えそうです。

合掌

2023.06.01社内報『愛たいむす』第100号に寄せて

 まずは、歴代の広報委員の皆さんのお陰で『愛たいむす』が第100 号を迎えることができ、発行責任者として大変嬉しく思っています。永年携わっている皆さん、本当にありがとうございます。そして、広報委員の要望に応じて記事を投稿して頂いた社員の方々にも深く御礼申し上げます。

 社内報のきっかけは、故坂田道信『ハガキ道』伝道者の「“ひとり新聞”を書くと人が成長する」との話を聞いて、いつか発行したいと思っていました。そんな折、株式会社タニサケの松岡会長が主催する「タニサケ塾」に参加して驚いたことは、株式会社タニサケ様では、社員一人ひとりが本当に活き活きとして、楽しそうに仕事をしており、しっかり利益も出している。当時の弊社とは雲泥の差を感じました。「どうしたらこのような立派な会社になれるのだろうか」と相談したところ、「ありがとうカード」、「改善提案制度」、そして「社内報」を発行することを推奨されました。

 「ありがとうカード」、「改善提案制度」の二つは比較的スムーズに立ち上がりましたが、「社内報」は半ば強引に編集長を指名した(本当にすみませんでした)やらせ仕事で、A3サイズの紙1枚でスタートしました。ときには表紙を飾るトピックスがなくて、「言葉」のみの表紙になったこともあります。編集長からも降りたいと申し出があり、存続が危ぶまれることもありました。第20号発行にあたり、再度原点に立ち返って松岡会長に教えを乞うたものです。当時すでに、株式会社タニサケ様の社内報『フレッシュタニサケ』 は第300号を超えていて、長続きの「こだわり」を教えて頂きました。一つは人生の応援で、社員の皆さんのお役に立てるような人生や経営のヒントとなる記事を掲載する。一つは常に積極的で明るく楽しい前向きな紙面を心掛ける。一つは手を抜かないで各記事の隅々まで気を配る。松岡会長からは毎号、校閲と貴重なアドバイスを頂戴しています。第100号を迎えて改めてこの「こだわり」を振り返ってみると、今の社内報では、できていないところも多くあり、反省の思いがあります。再度、広報委員と共有したいと感じています。

 弊社は2030年に大きな目標を掲げています。これから非常に高い山に登らなければいけないです。このためにも本当の幸福感に気付くことが大切です。本当の幸福感とは継続的な幸せを得るための能力を獲得した時に感じる力です。この力があれば、良い境遇やビジネスの成功を手にでき、その結果、高い山に登れるのです。

 社内報にも本当の幸福感についてのヒントを入れて参ります。全員で幸せになって参りましょう。ウエルビーイング!

合掌

2023.05.08夢をかなえるマンダラチャート

 WBC(ワールド ベースボール クラシック)の侍ジャパン優勝に沸いた日本。 改めて日本野球のレベルの底上げに驚かされ、日本のプロ野球の開幕を今年度ほど楽しみに待ったシーズンはありませんでした。 WBC決勝戦では、年棒の平均がアメリカの約5分の1の日本ではありますが、投手陣が三振の山を築き、野手陣が逆転のタイムリーヒットを打つ。 判官びいきではありますが、日本人として溜飲を下げたのは、自分だけではないと思います。

 この日本の躍進の原動力は、もちろん、投打の二刀流で活躍した大谷翔平選手であったことは間違いないことで、決勝戦で皆を鼓舞した「今日だけは憧れを捨てて、勝つことだけを考えていきましょう」の言葉には、多くの日本人が自分の過去を振り返り、涙を流したことだと思います。 その大谷選手が高校時代に書いたマンダラチャートをご存じでしょうか?

 このチャートの真ん中に「ドラフト1位8球団」とあり、その周りには「体づくり」、「コントロール」、「キレ」、「スピード160㎞/h」、「変化球」、「運」、「人間性」、「メンタル」、という言葉があり、真ん中の目標達成のために必要な8つの要素があります。 大谷選手は64の具体的な項目を挙げ、実行した結果が今の彼を作ったということです。

 マンダラチャートの中で最も興味が惹かれるものは「運」という要素の「ゴミ拾い」であります。 「彼は球場のロッカーでも常にゴミを拾っていた」と前から聞いており、このチャートの通り実行していたことです。 「一喜一憂しない」では、ピンチでのマウンド度胸を見ればその通りですし、「愛される人間」、「礼儀」では、アメリカの放送局から聞こえるアメリカ人の“彼の人間性は敵ながらアッパレ”のメッセージで満ちています。 彼はこのチャートに従い、年棒70億円の大スターになりました。

 弊社も今年度より大きな目標を立てました。2030年に300億円を達成することです。 そこで大谷選手にならって自分なりにマンダラチャートを作ってみました。 これらの64の項目の実現のためには社員の皆さんの協力と自分のコミットメントが必要です。 新しい会議体の「未来会議」でもしっかり話し合いながら、前進して参ります。

合掌

2023.04.03ある酒蔵の物語~腸内環境を整える

 前回のこのコラムで、意識圧の高い所に高次元のエネルギーが注ぎ込まれて元気になることを書いたら、知人から『発酵道』という書籍とともに、日本酒が送られてきました。 この本の著者は寺田本家23代目当主の寺田啓佐さん。酒も飲めず、酒造りを一度もやったことのない男の七転八倒の物語がありました。
 彼は300年に及ぶ老舗蔵元の寺田本家に婿養子として迎えられました。その当時、日本酒業界は低迷の時代で、有名ブランドがテレビ広告をバンバン打って、 中身は添加物だらけの醸造アルコールで、国ぐるみの儲け体質がはびこる業界でした。当然、日本酒離れが起き、寺田本家も凋落が始まります。 伝統という名のプレッシャーから、社員に当たることも多くなり、全てのことに不平不満をぶちまけていたところ、なんと腸が腐る病気になってしまったのです。 その病床で、本当の酒造りに目覚めます。それは「発酵すると腐らない」ということでした。

 婿に入って10年にして、「蔵は金を得るためにあるのではない。自分がここに来るずっと前から棲み続けていた微生物たちが、力を合わせて発酵を続けている場所だった」と気付きました。 そしてお腹が腐敗するか、発酵するか、これが健康の分かれ道である、と腸が腐るという、とんでもない体の異変から気付いたことでした。それから、微生物により良い働きをしてもらうために、 磁場勢力を高める備長炭で酒蔵の一部を囲って、微生物が活発に動ける環境を作り、生命が喜ぶ本物の酒造りを目指した結果、玄米を発酵させた「発芽玄米酒」を開発し、「むすひ」という名称で発売したところ、 日本中から血糖値が下がった、血圧が下がった、便秘が治った、などの反響がありました。
蔵見学に来る人たちに話すのは、ただ酒造りの工程だけではなく、微生物や発酵の話、何よりこれからの時代は微生物との響きあいが生きていく上での鍵になるということを一人でも 多くの人に伝えたいと思っているということです。微生物は宇宙とつながり、人の腸内に宇宙の「気」が入ってくるのだ、と締めくくられます。

 自分は思います。発酵とは、微生物の圧力により、エネルギーが注がれることだと。やはり圧力がエネルギーの源であると改めてこの書籍からも学びました。 知人から頂いた「むすひ」を飲んでいます。腸内環境が整い、大変気持ち良い日常です。飲めない方も少しで十分らしいです。皆さんも是非。

合掌

2023.03.01圧力差がすべて~エネルギーの源~

 納豆、醤油、みそ、ビール、日本酒、漬物など、日本には先祖代々受け継がれてきた発酵食品があり、毎日の食卓に上がって日本人の食を支えて、それらを健康の源にしてきました。発酵食品は菌種を活用し、無機物と有機物を上手く融合(熟成)させて作ります。 熟成の最中には食品により、数々のポイントがあるようですが、総じて大切なのは、「圧力差を生み出す」ことのようです。愛知県三河地方の岡崎名物の八丁味噌は、大きな樽に大きな石を積んで、貯蔵されていますが、この石は現在でも手積みで、ベテランの職人しか出来ないほど味噌の味に影響します。 漬物は塩と野菜、そして一番大切なものが、漬物石です。両方ともに圧力を掛けて美味しくできあがります。実は、食品以外にも「圧力差」を生活の中に活かすことは、多く見られます。

 例えば飛行機です。羽根を断面で切ったとき、上側が膨らみ、下側は直線ですが、このことで、空気が流れる速度は上側が早くなります。そのことで、上側の圧力が小さくなり、下側の圧力が高くなります。圧力差のある圧力の高いところにエネルギーが注がれ揚力となり飛んでいくのです。 ヨットは風上に向けて斜め前に走ることができます。何故でしょうか?風に膨らむ帆は飛行機の羽根のような形状をしています。圧力の高い帆のへこんだ方にエネルギーが注がれ推進力となっています。風のエネルギーだけではないのです。下に付いている大きなフィンが、横滑りの抵抗となり、斜め前に進む力を整えているのです。 海水は海では腐らないのに、バケツに入れておくと腐ります。海水圧は空気圧より高いので、常にエネルギーが注がれるからです。もっと身近な例として、洗濯機の原理は、無機物の水と汚れた有機物(洗濯物)に回転圧を掛けるため、エネルギーが注がれ、汚れを分解するのです。洗剤の力ではないのです。補助剤です。 サポーターやバンソウコウは、何故、患部を緩和するのでしょうか?もうお分かりですよね。不思議な話に聞こえますか?

 この認識において、我々はどう活かせば良いでしょうか。人にも意識圧があります。毎日を明るく楽しく生きて、未来を勇気と希望をもって切り開く。つまり、高い意識圧で生きていれば、常にエネルギーが注がれて、うまくいく。 実際の事例でひも解きました。どうやら真実です。実践してみませんか?オーラをまとうことにもつながると思います。

合掌

2023.02.01中部プラスチックリサイクル協同組合の新春講演会・賀詞交歓会にて~

 2023年1月8日に中部プラスチックリサイクル協同組合の新春講演会・賀詞交歓会があり、冒頭の挨拶でお話しさせていただいたことや、経済産業省 資源循環経済課 課長補佐 吉川泰弘様の講演内容などを報告します。

 2022年ほどあまりに同時にいろいろなことが起こった年はかつてなかったのではないでしょうか。3年目になるコロナ禍の中で、ロシアのウクライナ侵攻、原油高、円安、物価高、そして元総理大臣の狙撃事件。明るい話といえば、サッカーワールドカップのドイツ、スペインに勝利したジャイアントキリングで溜飲を下げたくらいで、暗い影を落とした年だったと思います。そんな世相の中で、本年我々中部プラの経営者はどう考えて今年を乗り切っていきますか。キーワードは2つあると思います。

 ひとつは「ウエルビーイング」です。意味は「社員の継続的な幸せ」です。社員さんが朝起きて、会社に行くことがワクワクするような会社を目指すことです。そのためにはどうするか?弊社の新年挨拶で、「一人一日三回以上三人以上に相手方が喜び元気になる言葉を掛けましょう」とお話させていただきました。100人の従業員が毎日300回の声掛けができれば、風通しのよい会社になります。大企業が賃金の引き上げに応じています。中小企業の優秀な人材の流出を防ぐためにもこの「ウエルビーイング」は大切な概念になっていくと考えます。

 もうひとつはやはり「カーボンニュートラル」(以下CN)です。ある自動車メーカーの脱炭素担当の方が、世界的なCNの潮流の中で、欧州のELV指令で、2030年までに一定の資源循環系の材料を使わねば車を造れなくなる時代が来る。プラスチック組合全体に大いに期待していると話されました。我々はCNをチャンスと捉えビジネスに活かして参りましょう。

 そして前出の吉川様から、経済産業省が目指しているグリーントランスフォーメーション(GX)の説明がありました。定義としては「社会システムをクリーンエネルギー中心へと変革し、排出削減と経済成長を両立すること」です。サーキュラーエコノミーの実現に向けての課題は多く、あらゆるステークホルダーの連携が必要不可欠であり、動静脈産業の連携・調和を急ピッチで目指していることがよくわかりました。中部プラの会員の積みあがった知見で、日本の資源循環を牽引して欲しいと強く要望されておりました。組合員との交流も活発に行なっていただき、官民一体となった充実した新年会になりました。

合掌

2023.01.06謹賀新年 ~逆境と順境

 皆様 輝く新年の幕開けです。2023年あけましておめでとうございます。本年も相変わらず、よろしくお願い申し上げます。

 さて、自動車関連は半導体の影響を受けて、生産が不安定になり、内示からもかなり実際の生産は減少を止む無くされており、弊社の売上も自動車部門はかなりの苦戦を強いられております。

 しかしながら、昨年2月に始まったロシアのウクライナ侵攻により、円安や原油高が巻き起こり、結果的に日本では、物価の高騰を招きました。それにより、我々の取り扱うプラスチックも値段が高止まりしており、結果売上総額は、堅調に推移していると言ってもよい状態です。いわば、逆境と順境が同時に来ていると言えると思います。この20数年を振り返ると弊社も逆境から順境に変化してきたように思います。まるで、逆境がこの順境のための条件として、やってきていたようです。廃材の仕入れ先がなくなり、もがくなかで、自動車の精緻解体からのプラスチックに光明を見出そうとしたことが、現在の資源インセンティブを活用してのプラスチック回収計画に繋がっています。そして弊社が数年前に大きな問題に直面した時、ひどくショックを受けましたが、それにより、内部管理体制の脆弱さに気付かされて、いろいろなお知恵を得ることができ、業績のV字回復が図れたという経験もあります。逆境は時として順境のタネではないでしょうか?松下幸之助さんの言葉を紹介します。

 「逆境-それはその人に与えられた尊い試練であり、この境涯に鍛えられてきた人は誠に強靭である。古来、偉大な人は、逆境にもまれながらも不屈の精神で生き抜いた経験を数多く持っている。誠に逆境は尊い。しかしまた順境も尊い。要は逆境であれ、順境であれ、その与えられた境涯に素直に生きることである。謙虚の心を忘れぬことである。素直さを失ったとき、逆境は卑屈を生み、順境は自惚を生む。逆境、順境そのいずれをも問わぬ。それはその時のその人に与えられた1つの運命である。ただその境涯に素直に生きるがよい。素直さは人を強く正しく聡明にする。逆境に素直に生き抜いてきた人。順境に素直に伸びてきた人。その道程は異なっても、同じ強さと聡明さを持つ。お互いにとらわれることなく、甘えることなく、素直にその境涯を生きてゆきたいものである」

 この文章を読むたび、逆境のことを思い出し涙が溢れますが、順境の時も決して油断しないことを胸に刻み付ける自分の大切な言葉になっています。本年も与えられた境涯に素直に生きて参ります。

合掌