2020.12.07ガイアシンフォニー地球交響曲から学ぶこれからの生き方
皆さんは「ガイアシンフォニー」という草の根の自主上映を中心にした映画をご存じでしょうか? イギリスの生物学者ジェームス・ラブロック博士が唱えたガイア理論「地球はそれ自体がひとつの生命体である」という考え方を元に、龍村仁監督によって「ガイアシンフォニー地球交響曲第一番」から制作され、現在「第九番」が撮影中です。
現在までの観客動員数は240万人を超え、自主映画としては異例のヒットになっています。それぞれの作品には、普通ではあり得ないことを体験した人々のエピソードが綴られます。
アポロ9号のラッセル宇宙飛行士は、宇宙遊泳中に自分の細胞の中に一気に流れ込んできた宇宙意識を感じ「自分とは、地球そのものを含めた我々なんだ」と証言します。イルカとの親交を続ける中で、素潜り105メートルの世界記録保持者のジャック・マイヨールは「呼吸は、大宇宙の母と、その子宮の中で育まれている私たちとを結ぶ、へその緒のようなものだ」と述べます。青森県の憩いの宿「森のイスキア」を完成させた佐藤初女さんは、手作りのおにぎりを通して生きる勇気を人々に与えた方ですが、このように話されました。「お漬物が呼ぶんです。もうこの石は重いって、だから夜中でも起きて小さい石に取り換えるんです」お漬物の声が聞こえるようで、美味しいおにぎりができるわけです。これらの方が異口同音に言う言葉は、「これらができたのは私個人の能力ではない。人智をはるかに超えた『ガイア』の超高度な『生命システム』に生かされていると確信したとき、これらが可能になる」ということでした。
今年の年初から今を振り返ると、コロナ禍は、行き過ぎた経済発展をさせようとする者や環境破壊をしている会社を悉く消滅に追い込んでいます。コロナによって再選を阻まれたトランプ大統領も、その一例といえます。元々、マスクさせずに感染拡大させた不信感の上に、選挙当日の第3波の到来が報じられました。彼は経済を発展させることのみに力を入れ、環境問題には全く見向きもしませんでした。また、極度にCO2をまき散らす飛行機は全て運行停止に追い込まれています。今回のコロナ禍は「ガイア」の意思だと考えてみてはどうでしょうか? 「ガイア」に繋がって生きることがこれからの生き方ではないでしょうか。一人ひとりの役割や使命に気づいて素直に懸命に生きていれば「ガイア」に繋がります。「今こそ地球に恩返し」いつも「ガイア」に生かされていることを意識し、充実した人生を歩んでまいりましょう。
合掌
2020.11.06「ワンチーム」という言葉 ~ある進学塾の体験から
昨年の今頃は、日本中がラグビー「ワールドカップ」で躍進する日本チームに盛り上がっていました。この日本チームがここまで強くなるための意識改革は、皆で、「さざれ石」を詩にした君が代を斉唱することで醸成された「ワンチーム」という概念があったことをこのコラムにも以前書きましたが、ある人の体験が更に深く、この「ワンチーム」という意味を教えてくれました。それは「受験も個人戦ではなく団体戦である」ということです。
こんな体験でした。進学塾でA,B,C教室という違う地域のクラス10名ずつ計30名の生徒に、まったく同じ講師・テキスト・時間を使って教えていました。ある年この30名の中から15名の合格者が出たとします。各クラスから5名ずつの分布なら何の不思議もないのですが、そうはなりませんでした。合格者の8名がA教室、B教室は平均の5名、C教室は惨敗の2名だったのです。
BとC教室の違いは何だったのか? すぐに分かりました。B教室は仲良しグループでしたが、C教室はいじめがありました。集中できない環境があったのです。
では、AとB教室の違いは何だったのでしょうか? 過去に遡って圧倒的な合格者数を出した卒業生に「どんな勉強をし、どんな雰囲気であったか」を聞きました。そして、発見がありました。B教室は仲良し「グループ」だったのに対してA教室は見事な「チーム」だったのです。「グループ」と「チーム」は全然違います。
例えば誰かが漫画を持ってきたとき、B教室の生徒は注意しません。一方、A教室の生徒は「お前何しとるんや。あの学校に全員で受かろうって約束したんと違うか。合格したら、漫画を回し読みしようぜ」と言います。塾のない日は、B教室は各々が自分の家で勉強しますが、A教室の生徒は、得意な子が苦手な子を教えることで友達の成績をあげようとします。A教室の生徒の合格体験記には、「僕の合格はこのクラスのおかげ。このクラスがなければ決して成し遂げることはできなかったと思う」とありました。このようにお互いがサポートしあって全員で目標達成するという文化ができたとき、もの凄い力になっていきます。「他人中心」とは他者が喜ぶことを懸命にやり、間違っていることはその人のために堂々と正していくという「文化」です。
年度スローガンの「ONE TEAM ONE ISONO」の言葉をしっかり噛みしめて、A教室の生徒たちに習ってまいりましょう。
合掌
2020.10.07
自動車解体業者様への感謝とエール
まだ環境問題が今ほど取り上げられていなかった時に、弊社は産声をあげました。近郊の自動車部品メーカーから成形不良品などの資源プラスチックを回収して、その性質を整えて納入する。そこには原価低減以外の目的はなく、顧客からは産廃処理費の削減となり、大変重宝されたようです。その頃は4トントラックを5台程度所有し、各地の成形メーカーを飛び回り回収していました。時は流れ、現在、直接弊社が成形不良品を取りに行っていません。ある時から新材があまりに安くなり、再生材料を作ることでは採算が全く取れなくなったためです。
現在は全て仕入先様から資源プラスチックを調達しています。今から8年ほど前に自動車メーカーの要望で「再生材の活用ができないか」と言われ、挑戦が始まりました。あらゆる実験を重ねて、どうやら新材と変わらぬ物性であることが証明でき、初めて認証材として登録されました。すると、今度は供給責任の問題があり、プレコンシューマーの資源プラスチックはルートが決まっており、回収量を増やすことができません。
そこで注目したのが、解体自動車から手間を掛けてプラスチックを採取することでした。現在、解体業者様から100トン/月を購入しています。しかしながら、この精緻解体にはとても手間が掛かり、お取引きいただいている解体業者様には不採算にも関わらず、高い「志」でやってくださっていることに心より感謝申し上げます。
最近取引先からある動画の紹介を頂きました。『ラブワゴンと99%の愛。~TOYOTAリサイクル~』という題名です。昔「あいのり」という恋愛観察番組をやっていました。5名の見知らぬ男女がワゴン車に乗り、様々な体験を通じて愛を育んでいく現実のドラマが人気だったようです。『ラブワゴンと99%の愛。』は、そのピンク色のワゴン車がバッテリーの故障やディーゼル車規制で、廃車になっていく動画です。擬人法が使われており、「愛を見守っていた私であったが、走れなくなった私にリサイクルという愛が与えられた」とナレーションが入り、人間の手でワゴン車のフロントグリルがはずされる映像が入ります。最後は圧縮されて鉄の塊になります。そして「あなたの購入する車は私の生まれ変わりかもしれない」と続き、最後に「廃車はゴミではない。未来への資源だ」と締め括られます。
この動画を作成した会社の環境配慮の取り組みに賛同し、解体業者様との取り組みをますます強固にし、三位一体となってあらゆる支援をいただきながら共に前に進んでいくことを誓っております。自動車リサイクルにまつわる皆々様方、今後ともよろしくお願い申し上げます。
合掌
2020.09.07
54期に向けてのお願い
当社の53期を振り返りますと、新型コロナウイルスに始まり、コロナに終わったという感覚です。4月の突然の緊急事態宣言により、リーマンショックを上回る規模で経済は急減速し、当社の経営も大きな影響を受けました。こうなると経営者はもろいもので、資金の問題はどうだろうか、コストの削減を常に考えねばならぬなど、マイナスの心配ばかりが先行してしまいます。まだ、ふと思うことは、底なしの沼に落とされたように、もがいても、もがいても浮上せず、あがいても無駄と諦めて、只々浮力に任せて浮いているようなおかしな無力感にとらわれているというのが、正直なところです。
ですが、経営者としていつまでも、ここに浸っていては良いわけがないですね。8月現在では、政府の財政出動や雇用助成金があり、今は今後どういう状況になっても経営をやり続ける自信はできております。このコロナウイルスのために、我々のビジネス上での実態活動は制限を受けていますが、あらゆる生活の中に溶け込んでいるプラスチックの需要はもちろん蒸発したわけではありません。我々の商材の再生素材は、コンビニで見かけるスプーンやコップのバイオ素材と同じように、環境素材として社会的認知度が高まっていることは何度も報告したとおりです。
そして、今回NEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構)の事業に応募し、福岡大学等と共に採択され、委託事業者になりました。
この事業は日本型プラスチック循環システムを開発することで、回収から選別、マテリアル、ケミカル、サーマルリカバリーまでの最高形を作ることを目指しています。これは取りも直さず、国家プロジェクトの一環であり、共同で取り組むのは、大学や上場企業ばかりですので、また一段と高レベルな人々と交流し、研究開発せねばなりません。当社の全体レベルの更なる底上げが必要となってまいります。
そこで、この54期の展望としては、昨年度の年度全体目標は「100年企業のための人材育成の仕組み造りをする」でしたが、今年度は「100年企業のための人材育成を実践していく」とします。年度スローガンは本年度も「笑顔あふれる元気な会社」と「ONE
TEAM ONE ISONO」です。
当社がNEDOの事業と深くかかわり、そのことで当社の技術陣のブラッシュアップが図られ、世界と対等に渡りあえるプラリサイクルメーカーに変貌していくことが100年企業への道です。「乗り越えられない壁はやってこない」の言葉を胸に、あらゆる困難に打ち勝っていく54期にして参りましょう。
合掌
2020.08.06
掃除を楽しむ女性は綺麗になる。
中小企業では、日本一の月あたり提案件数を誇る岐阜県の知恵工場こと㈱タニサケの松岡会長に、当社の社内報の向上をどうやるかを相談しに行った際に、タニサケ様の社員が掃除をする俊敏な動きを見て感心し、すぐに手紙を出しました。
「事務所の中から玄関の様子を見たら、二人の女性が楽しそうに床の雑巾掛けをして、また真っ白な雑巾で床をガラスでも磨くようにして、丹念にやっていました。もちろん這いつくばってです。よく見ると置物もたくさんあるのですが、丁寧にその裏側までも磨いていました。
玄関に出て見ると、オリジナルの掃除道具が並べられており、上り口のタイルは水洗いされ、洗剤で磨かれたあと、モップで拭かれていました。玄関の庇の天井も脚立にまたがり専用のモップで、一所懸命に磨かれていました。その脚立の一番上のステップ脇には、フックがあり、スプレー式の洗剤が掛けてあり。一人でやれるような工夫がありました。
事務所の窓ガラスは二人一組となり、これまたピカピカに磨かれていました。一人ひとりの動きがキビキビしていて、まるでプロの職人のようでした。今までの我々の掃除が飯事と思わされた瞬間です。凡事徹底とは、ここまでやるのかと言行一致のタニサケの皆様に頭が下がりました。少しでも近づけるように、わが社も実践してまいります」
この手紙を読んだ松岡会長は次のようなことを思い出します。「約20年前に、祈りの経営の㈱ダスキンの幹部の皆様が研修で、早朝に来社された時、雪が降るなかで当社の男性社員が嬉々として掃除する後姿を見られ『ここまでやるのか』と大感激されて社風を褒めてくださったこと」を。
私も5年前に伊那食品工業に出向いた際、事務所で全員が起立して迎えてくれましたが、大きな声の挨拶とともに、その時の女性達の瞳の美しさに驚かされました。伊那食品工業も社員が嬉々として掃除をすることで有名ですが、タニサケの女性社員も同じ瞳の輝きを宿していました。気持ちを込めた掃除は自分の心を磨いて、それゆえに瞳が澄んでくるのでしょう。掃除を楽しむ女性は綺麗になり、男性は後ろ姿で感動を与える人になる。
たかが掃除されど掃除。楽しくやる掃除の奥深い世界に一歩踏み込んで、自分を磨き上げる日常をつくっていきたいものです。
合掌
2020.07.06
ある温泉旅館でのお話し
良い会社には、人生観・正しい生き方という人として大切なことを十分な時間をかけて教育する仕組みがあり、一人の人を大切にする風土があると思います。そしてそのことが、人生のやりがいを見出し、結果として大きな成果になっています。仕事を通じてお客様に役立つことが幸せを感じることにつながるのではないでしょうか。
NHKラジオから流れてきたお話しです。アナウンサーが年配の婦人から届いた便りを読み始めました。
「先日和倉温泉のある旅館に行きました。そこであった話をさせていただきます。玄関で心のこもったお出迎えを受け、さすが以前来た時と同じだと感動しました。仲居さんが荷物をもち部屋へ案内をしてくれました。説明を受けたあと、ふと仲居さんが一人で訪れた私に興味を持たれたのか『こちらは初めてですか?』と説明されました。私は言うつもりではなかったのですが、その優しい
声にふと『実は・・・』と話し始めていました。『2回目です。もう30年も前になります。新婚旅行で訪れました。感動の連続でした。そして主人と約束をしました。【また来ようね】と。
それから二人で一所懸命に働きました。多くの辛いこと苦しいことを二人で乗り越えてきました。あっという間に長い年月が過ぎていました。その主人が病で亡くなりました。今日は結婚記念日なのです。主人との約束を今でもはっきりと覚えています。その約束を果たす為に主人と一緒に来ました(と懐から一枚の男性の写真を取り出しました)』
仲居さんは『ゆっくりおくつろぎください』と部屋を出られました。温泉でくつろぎ休んでいると、隣の部屋で夕食の配膳をしている音が聞こえました。その後、静寂のなかで、静かに襖が開いて、仲居さんが『お待たせしました。食事の用意ができました』と案内されるままに入った瞬間、驚きました。
二人分のお膳が用意してありました。仲居さんが『ご主人とご一緒にお食事を』と言ったところで私は、泣いてしまいました。仲居さんも涙を流しながら、微笑んでおりました。
なんと素晴らしい心遣いでしょうか。私は、この時の感動を伝えたくてお便りさせていただきました」
感動のサービスは人から人へと伝説になって伝わります。我々もこの仲居さんの優しい心遣いを見習いたいですね。
合掌
2020.06.05
コロナ異聞
5月14日に、39県で日本政府は緊急事態宣言の解除を発表しましたが、第一次世界大戦中のスペイン風邪では、第1波より、第2波の方が死者の発生率が高かったことを考えると、これからも十二分に警戒し、マスク、うがい、三密排除は生活の中に定着させるべきですね。
何事も必然必要と考えますが、今回のコロナが我々を苦しめているのは何故でしょうか?
ある教授の話によると、「世界の実体経済を1とすると、本来運営するために必要な資金は3から4倍なのに、20倍前後の資金が国際金融市場でフローしている。行き過ぎた信用創造が世界経済を運営している」といいます。なるほど世界を覆う貧富の差を見ても頷くことができます。コロナの意味は、月に太陽が重なりリングに見える金環のことです。文字通りお金の循環を阻害する菌と表現できます。行き過ぎた信用経済を是正させるために発生していると言えないでしょうか?
もう一つは、ある手紙からの文章です。抜粋します。
「地球は叫んだけれど、あなたは聞くことを拒んだ。大規模な洪水、厳酷な火災、猛烈な竜巻は地球の助けを求める叫びだった。海洋生物が水中の汚染物質により死んでいく。異常な速さで溶けていく氷河、厳しい旱魃。どれだけ地球がひどい扱いを受けているのか、あなたは聞こうとしなかった。地球があなたに伝えようとしていることを心配するより、最新のiPhoneを手に入れるほうがもっと大切だった。それで私は生まれた…。そして私は世界を一気にストップさせた。やっと私はあなたに耳を傾けさせた。私はあなたに熱を与える。地球で起こる火災のように。あなたに呼吸器障害を与える。地球の大気汚染のように。私はあなたの安楽を奪った。あなたの外出、仕事をストップさせた。そして今、一部の大気汚染は改善され、ゴンドラを使わないベニスの水は澄んで、イルカが泳ぐ。あなたは自分の人生で何が大切かを深く考えなければならなくなっている。もう一度言う。私はあなたを罰しているのではない。私はあなたの目を覚まさせるために来たのだ・・・」
題名は、『コロナから人類への手紙』でした。必要必然の理由にしても大変衝撃でした。我々は今後とも地球といかに共存していくべきか真剣に考えるべきです。それは、地球と人を本当に愛し、大切にしていくことに尽きるのではないでしょうか。まさに「今こそ地球に恩返し」。すべてのことに感謝ですね。
合掌
2020.05.07
コロナ禍の後にやってくるもの
~日本へ期待~
4月入社の新入社員の皆さんへ
数多くの中小企業から当社を選んでいただき、心より感謝します。昨年の「愛たいむす5月号」に『新入社員に送る言葉』があります。当社ホームページを参照ください。期待しています。
さて、4月24日現在、全世界で約280万人の新型コロナウイルス感染者が出ています。日本では1万3千人程です。中国以外で初めてコロナが大きく報道されたのはダイヤモンドプリンセス号でした。また、春節で日本を訪れた多くの中国人の置き土産があったと思います。それでも、これだけの人数で留まっているのは何故かを考えてみますと、日本は①手洗い、マスクをするなど衛生的②街並みはいつも掃き清められている③握手よりお辞儀が優先などの社会的距離間④食事は内食がメイン⑤ほぼ上下水道が整備され、下水の処理は完璧である、などが理由として挙げられます。これらにより感染者が少ない現状が、世界から大きな注目を浴びつつあります。
アフターコロナでも心配な次なる未知のウイルスに対抗していく方法が追及されたとき、世界は日本のやり方を学ぶと思います。まず、衛生観念の向上、清潔さの追求が起こり、上下水道の整備、外食産業の許可の厳格化、内食が見直され、自分で食材を購入、調理する文化の台頭等が起こるのではないでしょうか。これらに伴う、建設浄化技術、スーパーやコンビニ等の食材の衛生管理方法、消毒・殺菌機能・香料の付加価値を付けた衛生用品などは、日本には世界に先んじたノウハウがあり、そういった技術の伝播をしていくことで日本経済は回復し、そして、自己中心的な国家に対する国際的な批判がなされ、一帯一路戦略が挫折するなどの可能性があるかもしれません。さらには、「和」の心を大切にする日本人との結束を強くしたい国家が多く現れると思います。日本はアフターコロナを楽しみにしていいのではないでしょうか
ところで、このコロナ禍は世界経済を狂わせていますが、一方欧州や中国があれほど叫んでいた「CO2」の削減が見事にできています。これが一番の解決の道だったのです。叫ぶ人にとっては正に救世主だったかも知れません。また行き過ぎた工業社会の中であまりにもモノを溢れさせすぎ、世界中の人々と共存することを忘れた先進国に落とされた怒りの「いかづち」かもしれませんね。
我々は小さなことや当たり前のことを大きく感謝することを忘れてはいけない。吾ただ足るを知る<吾唯足知>。アフターコロナの生き方ではないでしょうか。
合掌
2020.04.06
非常事態だからこそプラス思考でいこう
2020年の3月14日に記しています。今回の出来事を振り返ると今年1月の中旬ごろに中国武漢から新型ウイルスが発生し、強い感染力をもって、瞬く間に何万人もの感染者を作りだしてしまった。早い時期に武漢は閉鎖され、収束されると思いきや折悪しく、正に中国の民族大移動の時期の春節に重なり、罹患者がそうとは知らず休暇旅行に出かけて、日本のみならず、世界中に新型コロナウイルスをばらまくことになった。日本では、最初のウイルス発生から約2カ月経過した3月には非常事態宣言を可能にする法案が成立し、現在小・中・高校は休校になっている。ビジネス上の言動も相当な規制がかかり、人の往来も極端に減少している。新幹線も乗車率は20%に満たず、多くの運行が中止された。大相撲の春場所は無観客で行われているものの、選抜高校野球は中止。プロ野球も開幕戦は延期、ゴルフの大会も中止されている。残念ながら全世界の興行というものにおいて、同じ現象が起こっている。世界的な経済損失は恐ろしいほど巨額になっているものと思われる。
この未曾有の事態において、我々は日々どう考えて過ごすのがよいか考えてみる。「すべてに偶然はない」という発想があるが、それは、「あらゆることは、成長・進化のためにやってくる。だから、あらゆることに感謝しなさい」という発想である。これは当社の社訓と深い意味で同じである。我々は過去の未曾有の体験、リーマンショック・東日本大震災・トヨタショック・タイの洪水等がある。いずれも、半年に渡り、グループ会社の経営を揺さぶり続けた。自分は生きた心地がしなかったのを今でもよく覚えている。しかしながら、現在もグループ会社全社は存在している。これらの出来事も今、振り返ればすべて会社の体質を強くするための試練であったといえる。そして何よりも「当たり前の日常」のありがたさを教えてくれたのだ。当たり前に感謝するということである。今回の出来事も必ず終わりが来る。今、コロナ対策をしっかり実行して、グループから一人たりとも羅漢者をださないようにしよう。そして現行の自分の業務を見直して、こんな時だからこそ見つかる無駄な作業を低減しよう。体質を強くするための試練がまた来たのだとプラスに理解しよう。
今回のことを笑って話せる日が早くやってくることを祈りながら。
合掌
2020.03.06
初動が一番大事
~ラインストップの危機に遭遇して~
「初動」とは文字通り、最初の行動という意味ですが、この「初動」がとても大事なことと感じた2つの事例がありますので、紹介します。
一つは今年の1月中旬に起こった事例です。当社のグループ会社の協力工場の塗装ブースでシンナーを計量中に静電気爆発が起き、塗装ブースが破壊されるという出来事が起こりました。
自動車向けの部品が毎日2,000個以上塗装されるラインで、復旧まで3か月必要という非常事態になりました。すぐに協力工場に対策本部が設置され、関係会社が集合し、携帯電話のスピーカー機能を活用して、バックアップのための話合いが夜を徹して繰り広げられました。まもなく数社の会社が選ばれ、製品を持ち込み塗装トライ、測定がされて、納入が始まり、結果的には納入先に迷惑をかけることなく、特別便も出さずに通常の状態で出荷されました。
週の前半の事故で、一時はラインストップの危機にも瀕しましたが、あらゆる企業、立場の方が素早く行動した結果、回避することができました。「初動」がいかに大切なことかを身をもって体験することになりました。
もう一つは、大変な問題になっている新型肺炎です。
命を懸けて新型ウイルスの存在を主張した医師がいました。この方は偽りを吹聴した、として逮捕されるのです。また当初はヒト・ヒト感染はしない、という楽観的な見解があったと聞きます。その国の役人達が、当初の発生地域に足を運んだり、現地で患者に直接会って専門家たちの話を聴いたりしておられれば、もう少し状況が変わっていたのかもしれません。本当に、適切な「初動」をとることの大切さを痛感させられました。
日常や社会生活の中でいつもと違うことが起きたら、現地へ行って、注意深く見る、人に相談する、そして、しかるべき処置をすぐに取るなどの「行動」、すなわち「初動」という言葉を大事にしていきたいと改めて感じております。そして、皆様とその大切さを共有してまいりたいと思います。よろしくお願い申し上げます。
合掌
2020.02.06
脳活トレーニング
ひとつ決めたことを中々継続できない自分ですが、3年前から『楽読』には、月に3、4回行くようになりました。『楽読』とは簡単に言えば速読です。速読にはひとりでやるものですが、『楽読』は多くの人が集うことで、本の内容を発信しあい、速読する力や熟読する力を養います。
最初に与えられる本は、ディズニーの「王様の剣」です。内容は王が崩御したイギリス混乱の時代。石の台に刺さった剣が現れます。台には「この剣を抜いた者が次の王である」とありました。国中の力自慢がやってみますが、誰も引き抜くことができません。そこに、しがない召使のワートが登場します。彼は狩りに出かけるのですが、木の上から落ちて魔法使いマーリンに出会います。マーリンに魚、リス、鳥に変身させられ、そのたびに命の危険に襲われますが、その危険を救う人が現れ、人間的な成長を繰り返します。ある時、剣術を競う試合があり、ワートが宿に剣を忘れたため、この石の剣を見つけ持ち出します。皆は、それが「王の剣」と分かり、その試合は中断されます。皆が石の周りに集まり、再びワートが石に戻した後、誰が抜いても抜けません。しかし、ワートが剣を引くと簡単に抜けました。皆がこう叫びました。「アーサー王万歳!」。
これが、『楽読』の最初のテキストです。物語の面白さに惹かれつつ、人との出会いの大切さ、常に変化する環境下においての小さな気づきを重ねながら、人は知らず知らずの内に成長していくことを、『楽読』は教えていると思っています。
訓練内容は、まず1分間計測です。1分でどれくらい読めるのか計測します。その内容を短くコメントを作ってアウトプットします。
その後、眼筋を鍛えます。左右、上下、遠近に目玉を素早く動かします。そして、呼吸法で気力を高めます。最後は一番の特色である眺める時間です。英語の2倍速の音を聴き、本の内容をおおまかに視界に入れながら、その内容を捉え、1つのテーマについて自分の思うことを皆に聞いてもらいます。聴きながら、見ながら、話すのです。これを並列処理の時間と呼んでいますが、面白いことに自分でも思ってみなかった言葉がでてくるのです。胸の奥に秘められた思いが殻を破って出てくるかのようです。この時が一番ワクワクします。
この3年間で、読む時間はあまり変化ないようですが、文章を短い時間で把握する力はついてきたようです。自分にとって『楽読』は脳活トレーニングになっています。皆さんもそれぞれの脳力を高める何かを探し出してはいかがでしょうか。
合掌
2020.01.06
新年を迎えて想うこと
パフォーマンスの分析と評価について
皆さま輝かしい新年の幕開けを、ご家族の皆様とともに迎えられ心よりお喜び申し上げます。
先日、弊社関連会社のISOの経営者ミーティングで、ある審査員から「日本人はパフォーマンスの分析と評価が弱い」という話を聞きました。いそのの今年度のスローガンは「笑顔あふれる元気な会社」と「ONE TEAM ONE ISONO」ですが、この4か月を振り返って皆さんのパフォーマンスはどうだったでしょうか?苦しいときも笑顔だったでしょうか?ONE TEAMとして、人のためになることをどれだけして、どれだけ人を喜ばせたでしょうか?
5段階で評価してみましょう。自分の評価としては「笑顔」は意識して、良くできていたと思いますので、評価は『5』。「ONE TEAM 」は継続できていないこともあったので、評価は『4』です。
このパフォーマンスメジャーを上げるための方法として、「笑顔」は自然発生ではなくて作るものと考えることです。この方法は常に「口角を上げる」ということです。唇の端をキュッと上げるだけで、誰もができます。作り笑いから始めると、不思議に本物の笑顔になります。実はこのことだけで、挨拶がしっかりできるようになったりして、周りの人間関係が好転します。会社全員が本当の笑顔になるならば、どんな苦境に陥っても必ず吹き飛ばせると確信しています。
「ONE TEAM」は心をひとつにして力を合わせることですが、その前に一人ひとりがチームのために陰徳を積むということです。見えないところで、周りからの評価は一切度外視して、ただひたすら人が喜ぶことを黙々とやる続けることです。この一人ひとりの心掛けがあって初めて言葉のいらない奥深い連帯感としてつながり「ONE TEAM」となるのです。2020年はこの2つのスローガンとその方法を実践してみてください。
そして、今年は関連会社で行った「1on1」(ワン・オン・ワン)ミーティングをします。
どうすれば「喜々として出社してもらうための会社風土作り」ができるのかを考えていきたく思っています。
最後に昨年聞いた言葉でベストと思う言葉を記します。
「人の運命とは何か。運命とは宇宙から与えられたエネルギーです。運命というのは身近な関係から人類地球そして宇宙へ垂直(縦)を志向しています。横は一切関係ない。運命は横を見ないで、縦に邁進していくほどに脈動する。横を見れば見るほど運命は去っていく」
いかがでしょうか。味わっていただきたい文章です。一人ひとりが躍動する運命に出会うことが、会社の成長です。皆さん、本年もすばらしい会社目指して参りましょう。よろしくお願い申し上げます。
合掌